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金沢地方裁判所小松支部 昭和30年(わ)55号 判決

主文

被告人雄谷本英を罰金五、〇〇〇円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金五〇〇円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

被告人石森松太郎は無罪。

理由

(罪となるべき事実)

被告人雄谷本英は

第一、昭和三〇年六月二五日頃から同年同月下旬頃までの間、別紙寄附募金一覧表(一)記載のとおり金沢市片町福井銀行金沢支店他四ケ所において、その外交員らをして同店職員小杉忠雄他四名から前后五回にわたり合計金六〇〇円の寄附募集をなさしめたが、右寄附募集をするにつき金沢市長の許可を受けなかつた

第二、昭和三〇年八月六日頃、別紙寄附募金一覧表(二)記載のとおり小松市須天町甲三六番地金子みさ方他一六ケ所において、その外交員らをして同人他一六名から前后一七回にわたり合計金七七〇円の寄附募集をなさしめたが、右寄附募集をするにつき小松市長に届出をしなかつた

ものである。

(証拠の標目)(省略)

(法令の適用)

被告人雄谷本英の判示第一の所為は金沢市金銭物品等の寄附募集に関する条例第三条、第一一条第一号に、判示第二の所為は小松市寄附金品取締条例第二条第二項、第一一条にそれぞれ該当するので判示第二の罪につき所定刑中罰金刑を選択し、以上は刑法第四五条前段の併合罪であるから同法第四八条第二項により併合加重をなした刑期範囲内で同被告人を罰金五、〇〇〇円に処し、同被告人において右罰金を完納することができないときは刑法第一八条にしたがい金五〇〇円を一日に換算した期間労役場に留置することとする。

本件公訴事実中被告人両名に対する詐欺罪の主位的訴因は、被告人らに詐欺の犯意を認めるに足る充分な証拠がないので有罪とは認められない。

なお被告人石森松太郎については予備的訴因についても、被告人雄谷本英の判示各行為につき加工したと認める証拠もないので、被告人石森松太郎に対する本件公訴事実はすべて犯罪の証明がないということになる。

以上の理由により主文のとおり判決する。

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